--.--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2006.01.28

『流言・投書の太平洋戦争』川島高峰、講談社学術文庫

 親本のタイトル『銃後』を改題。ドキュメンタリーとして、本当に面白い。戦前から敗戦までの日本の一般庶民の声を、官憲側の資料からつぶさに追っている。ちなみに、この日本人の心性の「続編」は、進駐軍・マッカーサーに必死に手紙を書いた多くの日本人をとりあげた袖井林二郎の『拝啓マッカーサー元帥様』(岩波現代文庫)で読める。
 はるか昔お世話になった川島先生の著作であるが、歴史書というよりは、メディア史や大衆心理史のように考えたほうがいいと思う。なだらかに戦争に突入していった「あの時期」は、私なんかはやはり感覚として分からない。この分からなさを考えてみたいという人は確かにいるようで、その証拠に、川島先生は六〇年安保闘争がひとつの出発点だったという。あんなに盛り上がったのに、その結果は、長期保守政権を支える強固な地盤へと変質していったわけだもの。
 しかしいつも思うのだけど、常に体制側からしか史料が出てこないのは、皮肉に感じますね。「特高月報」も「全国治安情報」も、史料としては第一級なのは異存がないけれど、今の、この時代の人々の意識(民心動向?)を考えるためには、どうしたらよいのだろうか。当時と今と、何が変わったろうか。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。