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2009.12.06

『「薔薇族」編集長』伊藤文学、幻冬舎アウトロー文庫

  編集長が自分の雑誌を語るだけで、大抵は立派なノンフィクションになる。伝説のホモ雑誌の編集長なら、なおさらだろう。まず、伊藤文学という名前がすごいじゃないか。まあ、ハードゲイの世界はちょっと怖気付いてしまうけど。そんなわけで読んでみる。
 まず、伊藤文学というのはご本名である。文学かぶれの父親が名付けた。1948年に創業した第二書房は、もともと著者の父親が経営し、格調高い歌集を売っていた。しかし、著者の代になるとエロ本専門になる。理由は糊口をしのぐため。これで冒頭の三ページ。もったいぶらない、余韻がない、順を追って説明するだけ。他律的な状況への対応を積み上げてきた、それだけの男がいまや好々爺然としている不思議。しかもゲイ雑誌編集長で、ノンケ(一般の異性愛者)である。
 競合誌創刊への危機感、読者からの電話相談窓口の24時間対応、バーの開店、三島由紀夫や内藤ルネら同性愛者のクリエイターとの交友など、描かれる世界は特殊だが、びっくりするくらい普通に誠実に対応をしてきた著者。なぜなら、糊口をしのぐため。出口なしの循環の中で、やけに濃度が高まる著者のホモ道、振り返れば一本道。

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