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2009.10.31

『太陽の塔』森見登美彦、新潮文庫

 みうらじゅんあたりを頂点として日本の男子諸君の相当部分をカバーするであろう、いわゆるDT系。ソレ系の政治団体を立ち上げて比例代表選に候補を立てれば、サラリーマン新党やスポーツ平和党なみの勢力を確保できることであろう。そのDT思想史の基礎をなすケースブックといってもいい。
 「とどのつまり、ふられた男の子の真冬のさえない独白小説」と文庫の解説者である女性タレントはまとめようとするが、これはいかん。アニメ系、歴史系、アイドル系と、さまざまな業を背負いながら、果敢に恋愛至上主義の象徴であるクリスマス粉砕を目指す、三人のくすんだ学生たちが、冬の学生街・京都の空に散華する。これを美といわずして、何というのか。何といってもいいんだけど。この流れでいくらでもツラツラ抱えられる。モラトリアムの愉悦。
 小さな物語を寄せて、叩いて、技術論だけで正面突破の真っ向勝負。ファンタジーノベル大賞の選考委員でイラつく人間が出るのもよく理解できる。作者の第二作以降も人気がある様子だから、その踏み出しの潔さ加減をこそ、注目したい。

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Posted at 05:49 | 新潮文庫 | COM(0) | TB(0) |
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