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2009.12.23

『漫画原論』四方田犬彦、ちくま学芸文庫

 仮に目にみえていることが全てだとしても、それを詳述することは簡単ではない。映画批評の方法論は使えるんだろうけれど、やっぱりマンガはマンガであると論を打ち立て、マンガ学の黎明に力を与えた本書。原論というだけあり、コマについて、風船(吹き出し)について、登場人物の顔について、マンガに必要な要素を手早く解説していく。
 もともとPR誌『ちくま』に連載されただけあり、引用を厭わない、というかサービス精神を感じる。過去数十年の日本マンガ界の重鎮(手塚治、杉浦茂)、アイドル(谷岡ヤスジ、つげ義春)、異端者(根本敬あたり)が揃い踏み。当時の脱出口である「新しい世代の漫画家」として、スージー甘金や丸尾末広の名が記されているところが、なんともいえぬ口当たりである。
 1994年に親本が出版されているが、論の基本的な部分は揺らいでいない。とはいえ、現実のマンガのその後はどうだったか。アニメやゲームなど、デジタルメディアとの干渉を経ても、独自の堡塁を守っているようにもみえる。
 原論かあ。なるほど、こういう碇の降ろし方もある。

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