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2005.12.05

『あのころの未来』最相葉月、新潮文庫

 星新一のショートショートをよすがに、現在のバイオテクノロジーの世界をたどっていく。最相葉月という人は、ジャーナリストではなくて、ライターなんだなあということがよく分かる。著者がインターネットをはじめとした、電子メディアを(その思想的な意義も含めて)十分使いこなせないことに、微妙な苛立ちを感じているところが、ちょうど初出の「東京新聞」にぴったり。
 著者のことはともかく。この本で星新一はひとりの預言者として取り扱われている。わざわざケチを付けることもないけれど、彼はとくに預言を遺したわけではなくて、面白い話をたくさん書いて、そして死んでいったんだと思う。
 手塚治虫やドラえもんが、何らかの形でその先進性を再評価されてどうのこうの、というのがしょっぱくてかなわない。子どものころ眠る前に、真鍋博の絵と合わせ、どこかぞっとしながらもページを繰ってしまった星新一の作品集。『祖父・小金井良精の記』や『人民は弱し 官吏は強し』などに、彼の世界の輪郭を確認するための秘密が隠されているのではないか。
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