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2006.01.01

『西瓜糖の日々』ブローティガン、河出文庫

 西瓜糖を機軸に動いている世界の話。《アイデス》という共同体で暮らす男性の主人公と、彼の最大の理解者だったが行き来が疎になってしまったマーガレット、コミューンのひとりで現在の恋人のポーリーンが主な登場人物である。ひとつの共同体との距離とそこに潜む数々の問題を、状態だけで説明していく。
 そのむかし、町を襲う虎がたびたび出没した。彼の両親も虎に殺されたのだ。しかし、今は虎の撲滅に成功し《アイデス》で人々は楽しげに暮らす。それで飽き足らなくなったマーガレットは《忘れられた世界》へ吸い寄せられていく。
 この作品の評価やその背景には、何らかの暗喩が働いているのは確実であり、当然その文脈の中で評価されたんだろう。それはどうでもいいことだ。ことばによって構築される世界とは、たとえばこういう作品のことであり、映画や演劇ジャンルの主流とは明らかに方法が違う。ヨソではできないことを文字でやればいい。
 何かの事情がある。何かの事情を説明するのではなく、何かの事情を取りまいているものを書くことが、文字でならできる。その取り巻いているものってのは、自分が考えていることより、はるかに甘い、甘い何かだ。
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