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2006.01.16

『西日の町』湯本香樹実、文春文庫

 湯本の他の作品と同じように「ぼく」が登場して語りだすけれど、この主人公は40代で医科大学に勤務している。湯本が自身の同時代をモチーフに、今まで以上に嘘偽り無く書いた作品だと思う。
 母親とその父親である「てこじい」について、そのまま西日の町の記憶として綴られる。貧乏くじを引きながらも実直に生きるやや繊細すぎる母親と、奔放な生き方をする気難しい祖父のやりとり。その両方の性質を理解し、受けとめ、受け継ぎながら暮らす小学生の僕。
 2Hくらいの硬い鉛筆で書いたようなストーリーの中、印象に残るのは、貝のシーン。「生まれなかった僕の弟」について、三人がそれぞれ考えながら、てこじいが遠くの町まで出かけていって取ってきたアカガイを剥き身にして食べる。食べることで変わることがあるとしたら、それはまず体だ。体が食べ物で変わる。体が変わって、次に何が変わるのだろうか。
 ゆっくりとだけど確実に変わっていくこと。寡作な著者は、いつもそれだけを書いている。
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おばけのバーバパパがバーバママを探して旅をしてバーバママと出会い、子供が出来るまでが描いてあるお話です。 たまごのバーバ兄妹達が土の中で育っていく姿は可愛くて仕方がありません。大人になってから思ったのですが、実家に一通りあったバーバパパの本なのですが、な
バーバパパたびにでる | あやこの記録 at 2007.10.17 08:35
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