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2006.03.23
『青春の逆説』織田作之助、旺文社文庫
ころっと人は死んでしまう。関係者だったりすると大変な事態だけど、まわりはまあ、死んでもうたんやネ、という程度。死を軽く扱うかどうかじゃなくて、あたりまえの諦観。オダサクの作品はそれが気持ちいい。彼の人生もそうだったのかも知れない……とも思うし、ジタバタと生に執着するタイプだった可能性もあるだろう。この作品では、神経質で異常に自尊心の高い男が主人公。ねちねち自分の行動を問い返し続けるんだけど、筆が走っていくような、一種異様な疾走感がある。このスピードこそが「青春」で、作品にまとめてパッケージ化したあたりのことを「逆説」っていってるんじゃないか。
主人公の弱冠二十歳・二流新聞社見習いの青年は、女優くずれの女性と同棲生活を始める。この女性のモデルになったのは、当時人気女優だった志賀暁子だといわれる(『発禁本』城市郎、福武文庫)。当時の芸能・興行界のあれこれを素材にエイヤッとやっつけ、発禁を喰らう、そのスピード。快速電車の中で読んでやった。
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