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2006.05.04

『日本一の昆虫屋』志賀夘助、文春文庫PLUS

 著者は志賀昆虫普及社会長。文春ネスコの元版では「わたしの九十三年」が副題だったが、文庫化にあたりそれが「志賀昆虫普及社と歩んで、百一歳」に。ペン習字を最近習い始めた、と夘助老の前書きが付される。
 戦争前から続くただ一軒の、日本の昆虫屋。昆虫への愛情やその生態についての不思議、という切り口はもちろん。ただこの本の半分以上を占めるのは、過酷な運命の告白。貧家で生まれ育ち、片目を失明。校長に騙されて事実上のお手伝いとして住み込むことになり、その後滅茶苦茶な時計屋へ丁稚奉公に出され、昆虫に興味を見出してからも、親方の約束が何度も撤回される。独立し自分で会社を興すまでの記録は、大変しめっぽい話なのに、細部は話が擦り切れてカラッとしたものだ。百まで生きるもんだ。
 ただの昆虫屋じゃなくて、昆虫普及に焦点がある。ミッションに外部的、総合的な視点を常に担保し続ける姿勢と、それを蹴破る勢いや成り行き任せの衝動性がうまくバランスしてる。会社を生き物として使っているわけだ。
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