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2009.10.22

『累犯障害者』山本譲司、新潮文庫

 電車の中でぐわああ!と吼える人がいる。変な人だ、怖い、という感情はいまだ無くならないけれど、最近ではそれ以外に、この人は普段どんな生活をしていて、何が気になっているんだろうという思いがきざすこともある。
 日本の受刑者の二割が何らかの知的障害を抱えていて、うち七割が再犯者。こんなに圧倒的な社会的課題は、著者が秘書給与詐取により衆議院議員から獄中に落ちなければ、顕在化することはなかっただろう。障害者が犯罪を犯しやすいのではなく、その生活基盤が脆弱で生きていく場所がないため、生活しやすい場所として刑務所で生きることを選択することが余儀なくされている。一歩間違えると、新たな誤解を生む可能性があるデリケートな問題だから、だれも語ってこなかった。
 ろうあ者暴力団の章もキツい。ろう者が(いわゆる健常者に相当する)聴者と異なる文化を持つことを前提とした裁判の、ひいては社会のありようが理解される日が来るだろうか。
 ふと思う。特別支援という教育業界の用語があるが、彼らが大人になり、社会の中で生活をするには、どれくらいの支援の具体的方策が検討されているだろう。何かこう、モノが大きすぎて弱気になってしまうが、まずは知るところから。著者が関わっている、障害者の自立支援施設にも興味がある。連帯責任があるとして社会から糾弾されるリスクを抱えつつ、知的障害の人間とともに暮らしている社会復帰施設のスタッフの様子も知りたくなった。

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