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2009.10.28

『チル☆』松井雪子、講談社文庫

 山田詠美、杉浦日向子、内田春菊。出発点は同じながらも、作家活動を深めていったマンガ家たちを、もちろん一括りに出来ようはずもない。いずれも異様な経歴で恐ろしい。ただ、彼女らはいずれも「文章に比べて、マンガ描くのはめんどくさい」といいそうな気がする。杉浦あたりは、明確に発言していた記憶すらある。だけど、松井雪子はメディアの差について、もっと曖昧な感じで挑んでるんじゃないか。イラストがやや先導する本作を読みながら、松井のマンガ作品である、田舎の廃屋で死んでいく老婆の皺のひだひだを何度も数える『マヨネーズ姫』のことを何度も思った。
 childを指すかもしれない少女・チルは、漠然とだけれども、全体を理解している。生きること/死ぬことは、その尊厳や重さを抜きにして考えれば、なんてヘンテコで不思議なことなんだろう。生と死の往来の自由を高らかに宣言する、おたまじゃくしのお化けのような「くねり」の存在が、本当はどんな人のそばにもいる。主人公がいずこへかすり抜け駆け出していく結末は、松井雪子しか描けないはずだ。

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