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2005.12.02

『花腐し』松浦寿輝、講談社文庫

 腐爛している。「生きているうちに 自分の腐臭を嗅がなければならないとは!」といってたウサギさんとヒト。その主客が転倒するというよりは、どちらも腐って交じりあった歌舞伎町の寓話。
 花冷えの町の隅にある安アパートで繰り返される、脱法ドラッグの密売者とその住民を追い出す地上げ屋の、出口のない繰り言のさまが小説となっている。主人公の男の過去についても一通り明かされるが、詮無い話だ。安アパートの住人の現在の殺伐した暮らしは、無意味に響く。ふたりの交流が何かを生み出すこともない。
 倦む。膿んで、爛れてゆく人々の生活とはまったく関係ないところで、腐り匂い立つ街の香りが記憶に残る。
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